麻疹(はしか)注意報発令中!症状や治療を解説します
麻疹(はしか)とは
麻疹(はしか)の感染源
患者の背景
麻疹(はしか)の症状は?初期は風邪と間違えやすい
麻疹(はしか)の合併症とは?
麻疹(はしか)の治療は?
まとめ
【事件】松本市の病院における13歳少年の脳ヘルニア死亡について振り返る【CT撮るべきか?】
緊急搬送の13歳が死亡、当直医は必要な検査を怠ったのか-横浜地裁、東京高裁判決の詳報 地裁での遺族、病院側の主張
2018年5月1日(火)
頭痛を訴えて長野県の波田町立波田総合病院(現:松本市立病院)に救急搬送された中学1年の男子生徒(死亡時13歳)が退院直後に死亡したのは、医師が必要な検査を怠ったためだとして、横浜市の遺族が病院側に計7173万円の損害賠償を求めた訴訟。横浜地裁は医師の過失を認めず訴えを棄却したが、東京高裁は一転して、松本市と当時の担当医に計3260万円の支払いを命じた。病院側は4月12日付で、「受け入れがたい」として上告している。横浜地裁、東京高裁の判決を詳報する。(後略)
引用: m3.com
日本の医療訴訟事情
事件の流れ
争点は
医療者にできることは
日本医療は崩壊していく
日本は、医療に関して本当に恵まれた国です
急性アルコール中毒から回復する時間は?アルハラは違法行為です。
未成年飲酒問題
アルハラ問題
急性アルコール中毒の知識
1.アルコールの代謝・分解のしくみ
2.急性アルコール中毒(alcohol intoxication)とは
3.アルコールによる死亡原因
4.急性アルコール中毒の人への対処
5.病院での治療
道路交通法の規定
アルコールを飲ませた人の刑罰
(2019年11月2日 9時47分 読売新聞オンライン)
2017年に近畿大のテニスサークルの飲み会で一気飲みをした男子学生が死亡した事故で、大阪地検は、保護責任者遺棄致死容疑で書類送検された学生ら12人(22~23歳)のうち9人について、より法定刑の軽い過失致死罪で略式起訴する方針を固めた。
学生の飲酒死亡事故を巡る起訴は異例。他の3人は関与が薄いとして不起訴とする。
2年だった
登森勇斗 さん(当時20歳)は17年12月、サークルの飲み会で、ショットグラス約20杯分のウォッカをジョッキで一気飲みし、昏睡 状態になって別の学生宅に運ばれ、翌日、嘔吐 物をのどに詰まらせて死亡したとされる。大阪府警は今年5月、3年生4人と介抱役として呼ばれた2年生8人の計12人を書類送検。一部は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
まとめ
調理師免許や警備員に、「麻薬、大麻、覚せい剤等の使用者でない診断書」が必要な理由
「薬物の中毒者でない」診断書が必要な業種
結局、何故かはわからない
診断書はどう書かれるのか
診断書は、最寄りの診療所へどうぞ
【医師解説】京大病院の医療ミス。当時の会話を再現してみた
京都大学医学部附属病院のホームページに、事故の詳細な状況について記者会見の発表内容が開示されたため、追記します。
京都大学医学部附属病院
「炭酸水素ナトリウム誤投与による急変死亡について」
本事案の経緯については上記に詳しく書かれていますが、
今回は報告書を元に会話形式で再現してみました。
(語気に関しては一部妄想が含まれます)
薬の濃度間違いによる死亡事故の過去記事は、以下をご覧ください
・・・・・京都大学医学部附属病院のとある病棟にて
担当医「あの入院してる心不全の患者、急ぎで造影CT撮ろ」
電カルで枠を確認するも、CTの検査は当日枠が空いていなかった
担当「1時間しか無いけど、とりあえず緊急で入れてくれ!」
造影CTをオーダーすると、放射線科医から担当医のピッチに連絡が来た
放射線科医「先生、この患者さん腎機能がそこそこ悪いんで、普通は6時間前から生食点滴しないといけませんよ」
マニュアルを見ながらそう説明する放射線科医
担当「えー!ほんとですか、何とかなりませんか?」
放医「一応、時間なかったら重曹点滴って方法もありますけど」
造影前に重曹(炭酸水素ナトリウム)の処方経験が無かった担当医
担当「重…曹?メイロンのことですよね」
放医「うーん、私たち、普段あんまりオーダー画面見ないんですよね」
検査や読影を専門とする放射線科医は、オーダリングをほとんど使用しない
放医「でも、重曹がメイロンっていう名前なら、それじゃないですか?」
実際、メイロン=重曹(炭酸水素ナトリウム)だが8.4%の濃度のみで、重曹点滴として用いるものは1.26%の炭酸水素ナトリウム液と、大きく濃度が異なっていた。
加えて、メイロン8.4%は250mlのバッグ、炭酸水素ナトリウム1.26%は1000mlのバッグと、規格も異なっていた
担当「えーと、メ・イ・ロ…」
と、担当医がオーダー画面に打ち込むと、メイロン8.4% 250ml等が表示された
担当「造影の時は、1000mlいくんですかね?」
放医「そうです」
プロトコールでは、造影1時間前に3ml/kg/H、造影3時間後まで1ml/kg/Hが一般的
そのため、体重60kgでも総点滴量は500~700mlに満たないことが多い。
担当「どうもですー」
担当「えー…てことは、この250mlを4本点滴すればいいってことだよね?」
オーダーに違和感を覚えつつも、この点滴の使用経験が浅く、更に検査まで時間がなかったため、薬剤師にも相談せずオーダーした。
その後、メイロン8.4%の250mlバッグが4本、病棟へ届けられた
心不全患者にとっては、致死的な水負荷となりうる量である
看護師「せんせー、これ多いけど、全部イっちゃっていいの?」
担当「うん。イっていいよ」
濃度の高い炭酸水素ナトリウムを速く点滴したせいか、患者は血管痛を訴えた
患者「腕が痛くなってきたんですけど」
看護師「や、ちょっと滴下速度早すぎたかな?」
投与速度を下げ、穿刺針を太くすることで一旦は痛みが消失する
・・・・・(造影CT終了)
造影剤の検査が終わっても、3時間にわたって計1000mlのメイロン点滴が続いた
患者「ちょっと、体がおかしいよ。先生呼んでよ」
看護師「先生も知ってますよ。様子をみるように言われてますから大丈夫」
患者「そうですか・・・」
その後、病棟内のトイレで転倒し、心停止になっている患者が発見される
当番医「心停止してる!ベッド移して、心マ(CPR)するよ!!」
CPR開始から30分後、自己心拍は再開したが心臓マッサージによる血気胸を生じ、口から大量の血液が溢れた。
当番医「あー!挿管してCV採ってドレーン入れてぇぇ!!」
そして気管挿管、胸腔内ドレーン留置、人工心肺補助装置(PCPS)を行ったが、出血が持続するため、開胸して止血を行った。
担当「そういや、抗凝固薬飲んでる…出血が止まらんわけだ…」
この患者が抗凝固薬のプラザキサ(ダビガトラン;抗凝固薬)を内服している状況を把握できておらず、遅れて中和薬であるプリズバインド(イダルシズマブ)を投与した。
その後も体内の出血傾向が止まらず、6日後に患者は死亡した。
プラザキサの半減期は12時間でワーファリンよりは短めだが、腎機能障害の程度によっては延長することもある。
・・・・・
以上となります。
ここまでの経緯でいくつか疑問点を挙げます
1. この患者が造影CTを撮ろうとした理由
心不全+腎機能障害だけであれば、造影CTを撮る理由としては薄いように感じます。虚血性心疾患を疑って、冠動脈CTなどを撮る予定だったのでしょうか?
病院の文書にも、検査は「必ずしも当日緊急で実施する必要性はなかった」とあるため、担当医の都合を優先して、安全管理を疎かにしてしまったと言わざるを得ません。
2. 1.26%炭酸水素ナトリウムをマニュアルとして推奨するべきか
造影CT前の造影剤腎症の予防として生理食塩水 vs 重曹輸液が多く比較されていますが、メタ解析でも有意差が出たり出なかったりです。ガイドライン上は、時間の無い時には、血液のアルカリ化が腎障害を抑制すると言われており、弱い推奨となっています。
しかし、今回のような事故を起こすリスクを考えても敢えて使うほどか・・・と言われると疑問です。
3. 薬剤師はオーダーされた時に、異変に気が付かなかったのか
担当医の知識・経験不足が今回の事故の発端と言えますが、それでも防げる場面はいくつかあったように思います。医師が薬剤師に相談していれば。薬剤師がメイロン1000mlという見慣れないオーダーに対して疑義の連絡をしていれば。看護師にメイロンの投与に慣れた人がついていれば。
個人的には、禁忌ではないにしても薬剤師が気を効かせる場面かと思います。医者贔屓でしたらごめんなさい…。
以上になります。
京大病院は本当に優秀な人材が揃っていると思いますが、大きな病院にありがちなのが、ヨコの繋がりの脆弱さ。他職種同士の連携がないと穴あきバケツは埋まらないので、徹底した再発防止策を望みます。
【医師解説】京大病院が誤投薬で患者死亡!炭酸水素ナトリウムは怖い薬剤なのか?
2019年11月19日、京都大学医学部附属病院で、薬の濃度間違いによる死亡事故が起こりました。
記事では、以下のように書かれています
京都大医学部付属病院(京都市左京区)は19日、腎機能障害のある心不全の男性入院患者に、注射薬の炭酸水素ナトリウムを処方する際、誤って本来投与すべき薬剤の6.7倍の濃度の同一成分製剤を投与した結果、6日後に死亡したと発表した。
患者は成人男性。造影剤を用いたコンピューター断層撮影(CT)の検査を行う際、急性腎不全となるリスクがあった。入院患者の場合は腎保護用の生理食塩水を検査前に6時間点滴する必要があったが、検査までの時間が十分に取れなかったため、代替策として外来患者向けの炭酸水素ナトリウムを用いたという。
さらに、本来は濃度1.26%の炭酸水素ナトリウム注射液を投与すべきだったが、成分は同じながら、商品名の異なる濃度8.4%の製剤を誤投与してしまったという。(中略)
その後、患者は心停止となり、蘇生処置で心拍は再開したものの、心臓マッサージに伴う胸骨の圧迫が要因とみられる肺からの出血が止まらなくなった。止血術などの対応を取ったが、患者の内服薬に抗凝固薬が含まれていることに気づくのが遅れたこともあり、出血を止められず死亡させてしまったという。(引用:京都新聞)
上記の事故で亡くなられた男性には、まずお悔やみを申し上げます。
今回の医療過誤は、3つの問題点があります
①薬剤のオーダーミス
②炭酸水素ナトリウムは腎保護として適切か
③抗凝固薬の情報周知
わたしは現在内科医として病院に勤務していますが、この炭酸水素ナトリウムは「ある病気」に比較的よく用いている薬です。見慣れた薬ですが、なぜこのような事故が起こってしまったのか、医師の視点で解説していこうと思います。
事故の背景 ~造影剤腎症という脅威~
腎機能障害のある患者に対して、腎臓から排泄される造影剤を用いた場合、「造影剤腎症」という合併症を起こすことがあります。
原因ははっきりとわかっていませんが、造影剤により腎臓への血流障害がおこる、造影剤自体の腎毒性などが挙げられています。
比較的高い確率で人工透析の導入が必要になるため、患者へ大きな負担を強いることになってしまいます。
そのため、腎機能障害がある人へ造影CTをする時にはかなり気を遣って検査を行う必要があります。
その造影剤腎症の予防の一環として用いた「炭酸水素ナトリウム」が、今回の状態悪化の原因であったとされています。
①炭酸水素ナトリウムは薬剤の濃度によって規格が異なる
まず、炭酸水素ナトリウムの添付文書をKEGGで確認しましょう
今回誤って投与された8.4%の炭酸水素ナトリウムは、商品名「メイロン」と呼ばれ、医療機関で広く用いられている薬です。
上記添付文書を見てもらうとわかるのが、炭酸水素ナトリウムは
・1.26%は1000mlのバッグのみ
・8.4%は20mlのアンプルと250mlのバッグ
と、濃度によって薬剤の大きさが異なります。8.4%は、より血行動態に影響を与えやすいためゆっくり投与すべきもので、少なめの量に設定されています。
逆に、1.26%は1000mlの生理食塩水に炭酸水素ナトリウムが混注されており、補液がメインの点滴になります。
なぜ炭酸水素ナトリウムが血行動態に影響を与えやすいかは後述していきます。
オーダーミスのチェック機構は働いていたのか
そもそも、医師が薬を誤って処方した場合、それが患者に投与されるまでにはいくつかチェックポイントがあります。
1. オーダー時点の自動チェック:パソコン画面に「別規格の薬剤があります」「類似名称の薬剤があります」等のポップアップが流れるようになっている(業者や設定により異なります)
2. 薬剤師のチェック:その患者に対して、薬剤が投与禁忌などに該当しないか確認する
3. 看護師のチェック:薬剤名、投与量などの誤りがないか総合的に確認する
8.4%炭酸水素ナトリウムの投与方法は看護師も熟知しておくべきものですが、そもそもオーダーの時点で医師が投与量や投与方法を詳しく記載しておくべき薬剤です。患者の基礎疾患があるならなおさら、投与時にも看護師とダブルチェックが望まれます。
1.の時点で既に間違いがあった可能性が高いのですが、検査前のオーダーであるため薬剤師も看護師も、はっきりと目的を認識できていなかった可能性が高いと思われます。医師の責任が大きい事例と考えますが、コンピューター上できちんとチェック機能が働いているか確認が必要です。
炭酸水素ナトリウムの血行動態への影響
炭酸水素ナトリウムは、体内のpHを安定させるために重要な役割を果たしており、特に体の中に酸(H+)が多い状態(=アシドーシス)とならないように緩衝材として消費されます。下記の式は酸塩基平衡の式で、H+が増えてきたときは、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)を介して、二酸化炭素と水に変化させることでH+を減らそうとする動きに傾きます。
CO2 + H2O ⇆ NaHCO3 ⇆ HCO3- + H+
頻度の高い使われ方として、めまい・ふらつき・嘔吐などいわゆる「めまい症」に対して炭酸水素ナトリウム 8.4%を40mlほど静注する、という慣習?があります。エビデンスは不明です。
しかし、少ない量でも血行動態に変化を与えることがあるため、「5分以上かけて、ゆっくり静注する」という注意書きがあるほどです。
というのも上記の式にもあるように、酸塩基平衡ではアシドーシスを補正する際に、必ず二酸化炭素、水が出てきます。また、ナトリウム(いわゆる塩分)が補充されるため、血管内のボリュームが増えます。なので、急速に高用量の炭酸水素ナトリウムが投与されると水が増え、心臓への負担が多くなります。
②炭酸水素ナトリウムは腎保護として弱く推奨される
(参照:エビデンスに基づく CKD 診療ガイドライン 2013)
(参照:腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018(案))
そもそも、「造影CTの前になぜ炭酸水素ナトリウム?」という理由ですが、上記のガイドラインでも記述されています。
ガイドラインによると、炭酸水素ナトリウム自体は、輸液時間の無い時には推奨される薬剤選択です。なので、きちんとしたエビデンスに基づいた医療をしようとしたのは間違いありません。
もちろん、高濃度の炭酸水素ナトリウム(メイロン)を用いる際は、生理食塩水で希釈して点滴する必要がありますが。
(医療者向け)
生理食塩水の点滴は、造影剤腎症の発症を予防するため、造影前後の生食投与は強く推奨される(推奨グレード A)
造影剤腎症の発症率に関しては重曹輸液群が優れていたが、造影剤腎症による透析導入や心不全の発症、死亡率については有意差がなかった。
また、生理食塩液輸液と重曹輸液に有意な差はないとするメタ解析もある。
重曹群 945 例と対照群 945 例を解析した結果は、RR 0.71(95%CI 0.41~1.03)と有意差はないものの、重曹輸液の有効性を示唆する結果となっている。投与のプロトコールとしては、造影前後6~12時間で1ml/kg/時間の点滴静注が推奨されている。造影前1時間は3ml/kg/時間、投与後6時間は1ml/kg/時間の点滴とするプロトコールもある。
炭酸水素ナトリウムは、本来すぐに命に関わる程の水負荷は起こらないと考えられます。もちろん劇薬の指定ではありません。
しかし、今回の男性患者はもともと心不全をもっており、高濃度の炭酸水素ナトリウムで増える水の負荷に耐えられなかった可能性があります。
患者は心停止の前に「血管痛」「顔面のほてり」「首のしびれ」などを訴えていたようです。すべてが薬剤投与の影響かはわかりませんが、高濃度点滴や心負荷による症状だった可能性もあるため、投与内容を確認するべきだったと思います。
③患者の薬剤情報は主治医が把握しておくべき
この患者の最終的な死因は、「出血性ショックによる多臓器不全」とされています。
つまり、胸骨圧迫による出血を止めることができずに失血死してしまったということです。
結果だけを見た場合、胸骨圧迫→胸腔内出血→死亡 というエピソードは頻度の低いものではありません。強く胸を圧迫するため骨折や血管損傷はよく起こる合併症です。
抗凝固薬を飲んでいなかったからといって、この患者が助かったかどうかは微妙なラインかと思われます。
しかし、抗凝固薬の情報があれば、できたこともあります。
たとえば、ワーファリンを飲んでいたならば、拮抗薬であるビタミンKを投与したり、新鮮凍結血漿などを輸血する方法もあったでしょう。
何より、「抗凝固薬を飲んでいる」というのを把握していること自体が、目に見えない胸腔内出血を予測する手がかりになります。そのため、状態が悪化した際により迅速な対応ができたかもしれません。
入院患者だったのであれば、少なくとも主治医は内服薬について把握しておくべきだったのではと感じます。
私も、たくさん薬を飲んでいる患者さんは覚えるのが大変ですが、抗凝固薬・抗血小板薬の内服有無は必ず把握するようにしています。
裁判になった場合の争点は?
遺族が発生時期などを明らかにしていないため、おそらく和解という形になる可能性が高いと考えますが、医療裁判になった場合を考えてみます。
病院側がミスを認めているのは
・投与した炭酸水素ナトリウムの濃度に誤りがあった
・抗凝固薬を内服している確認が遅れた
という点です。
これらが患者の死亡と因果関係があったかどうかが、争点になると思われます。
患者の全身状態を勘案すると、必ずしも因果関係は証明できないと思いますが、ミスは明らかなため、和解であれば年齢によってはかなりの金額を提示されるのではないでしょうか。
しかし、京大病院には、再発防止に向けた対応を強く望みます。
突発性虚血心不全とは?滝口幸広さんが34歳という若さで亡くなる
俳優の滝口幸広さんが、11月13日に34歳という若さで亡くなりました。
所属事務所の発表では、死因は「突発性虚血心不全」でした。
「ウォーターボーイズ2」や「AI探偵」で人気の俳優が30代で亡くなったとあって、ショックだった方も多いのではと思います。
しかし、突発性虚血心不全というのは医療者としては聞き慣れない単語です。
『急に』『心臓を栄養する血流が不足し』『心不全を起こす』というワードから考えると、おそらく正確な病名は「急性心筋梗塞」による心不全ではないかと考えます。
急性心筋梗塞とは
梗塞とは「血流が詰まって壊死する」という意味で、急性心筋梗塞は急に心臓を栄養する血管が詰まってしまうことで、心臓の筋肉が栄養不足で壊死してしまう疾患です。
喫煙、糖尿病、脂質異常症、肥満、運動不足、家族歴などがリスク因子となりますが、多くは男女ともに60~70歳代が発症のピークになります。
滝口さんは比較的若い年齢で心筋梗塞を発症しており、心臓や脳などの血流障害を起こしやすい家族歴があったのではと推測されます。
この年齢で糖尿病、脂質異常症などを持つ方もいますが、滝口さんは中肉中背で、特に肥満体型でもなさそうです。
昨日まですこぶる元気にしていた人を突然失ってしまうという病気は、やはり怖いものですね。
滝口さんの関係者の方には、お悔やみ申し上げます。